■脱毛メニュー:口コミで評判が良く使い勝手の良い商品ブログ:2015/6/08
ぼくが幼稚園に入園した日、
忘れられない思い出がある。
新しいカバンに、新しい遊び着、新しいお道具箱…と揃った中に、
ただひとつ、ママが手作りしてくれたものがあった。
それは「ひよこの座布団」。
当時、園児は全員座布団を使用していた。
そのほとんどは集団購入したもので、
デザインはたしか、
男の子は青、女の子は赤色、
厚さが三、四センチはありそうなふかふかとしたもので、
座面には可愛らしいひよこのアップリケが施されていた。
みんなとは異なる座布団は、クラスでぼくただ一人。
色は小豆色、薄っぺらでざらざらとした手触りで、
園児が使うにしては、なんとなく違和感があった。
ぼくはママに泣きついた。
「ぼくもみんなと同じ、かわいいひよこのついた座布団が欲しい」
ママはその座布団に
ひよこのアップリケをつけてくれたが、
それでもぼくの気分はすぐれなかった。
ぼくの座布団はとても目立ったので、
ぼくは隠すように急いで席についた。
早く汚れて新しい座布団を買ってもらおうと、
わざと乱暴に扱った。
しかし、他の子どものアップリケは次々とはがれていくなか、
ママが手作りしてくれたぼくの座布団は悲しいくらいに頑丈で、
びくともしないまま、卒園を迎えた。
少し成長して、中、高校生になり、
ぼくは家庭内の状況がわかる年頃になった。
我が家は一家の収入をママに頼っていた時期があった。
それはどうやらぼくが幼稚園に通っていた頃と重なるようである。
ぼくは「手作りの座布団は経済的に苦しかったからか」と納得し、
その当時も使っていた、
ママが作ってくれた
ひよこの座布団を好意的にとらえられるようになっていた。